月別アーカイブ: 2012年8月

放課後の向うがわⅡ-13

 監督は、その場にしゃがみこむ。
 水流は、作業着の前ボタンを駆けあがり、顔面まで届いた。
 監督は首をうねらせながら、顔いっぱいに熱い飛沫を受ける。
 顔に弾ける瀑布の向こうに、理事長の姿が揺らめいて見える。
 監督は、何か言おうとして口を開く。
 でも、声にはならない。
 口中に飛びこんだ水流が、声帯をごぼごぼと鳴らすだけ。
 まるで、液体で出来た陰茎で、口を犯されてるみたい。
 監督は、存分に犯されながら、ノドを鳴らして尿を飲む。
 胃の腑が膨れるほど飲み干すと、ようやく水流は勢いを失った。
 棒のような水流は、連なる数珠の球に戻り……。
 そして、途絶えた。
 名残の雫が、肛門から垂れてる。

 監督は、ゆっくりと起ちあがる。
 濡れそぼった作業着の前に両手を掛け、羽撃くように左右に開く。
 弾け飛んだボタンが、コンクリートの床に、貝殻みたいな音を立てる。
 監督は、脱いだ作業着を頭上に翳すと、雑巾を絞るように両手で捻った。
 浅葱色の作業着からは、薄い煎茶色の液体が、ぼたぼたと落ちる。
 仰向いた監督の口が、一滴残らず雫を受ける。
 雫が途絶えると、監督は首を起こした。
 脱水機から取り出したようにカラカラになった作業着が、床に放り出された。
 芋虫みたいに捻られた布が、撚りを戻しながら蠢く。

 一糸まとわぬ全裸になった監督は、顔を洗うように顔面を両手で拭った。
 手の平の雫を、脇の下に塗りつける。
 全身、一箇所残らず、尿で濡らすために。
 それは……。
 別の生き物になる儀式のようにも見えた。

 そして……。
 この世ならぬ生き物に生まれ変わった監督が、近づいてくる。
 一歩、一歩。
 尿で濡れそぼった床を踏み、陰茎を天に突きあげながら。
 でも理事長は、悲鳴ひとつあげない。
 なぜなら……。
 理事長も、別の生き物に変わってたから。
 そう。
 2人にはわかった。
 お互いが、人間の皮を剥ぎ落とし、別の生き物に変わったことが。
 そう、“変態”という哀しい生き物に。

 にじり寄った監督は、自らの男根に手を掛ける。
 天を突いて反り返る灼熱の陰茎を、押し下げる。
 切っ先は、真っ直ぐ陰唇に定まった。
 鈴穴のように膨れあがった射出口が、膣内を覗きこむ。
 陰唇は、隠しようもないほど、溶け崩れてる。
 灼熱の男根を翳され、バターのように新たな雫を零した。

 一瞬だけ、監督と理事長の視線が合った。
 互いの目の中に映る、哀しい獣を見た。

「うぉっ」

 牡の獣が吠え、身体ごと雌にぶつけた。

「わひぃ」

 雌が全身をうねらせて応えた。
 牡と雌は下腹部を接していた。
 接合部に男根は見えない。
 すでに、雌の胎内深く埋もれてたから。

「熱い……」

 牡は、ゆっくりと腰を引いた。
 埋もれてた男根が、引き出される。
 表皮は、なめし革に油が塗られたように照り輝いてる。
 それを確かめると、牡は再び腰を送った。
 奥まで。
 牡の恥骨が、雌の陰核を押し潰す。

「い……、ぎぎぎ」
「これが好きか?」

 雌は、がっくがっくと首を振り倒して応える。
 連獅子のように乱れた黒髪が、顔面を叩く。

「そうか……。
 好きなのか」

 牡は、雌の顔を隠す髪をかき分け、両頬を手で挟む。
 雌の目を覗きこみながら、腰を捏ね回す。

「あひぃぃぃぃ」
「いいか?
 そんなにいいか?」
「いぃっ。
 いぃっ」
「そんなら、もっと良くしてやるよ。
 ほら」

 牡の腰が、動きを前後に変えた。
 弓のように引かれた腰が、反動を付けて戻る。
 弓につがえられた矢は、雌の奥深く撃ちこまれる。
 矢尻の根元に連なる恥骨が、容赦なく陰核を潰す。

「が」

 陰核をひしゃげさせた恥骨は、一瞬で退いた。
 しかし、間髪を置かずに、再び繰り出される。

 撃つ。

「あきゃぁ」

 引く。

「はっ」

 そして、撃つ。

「ひぎっ」

 前後動は、瞬く間にトップスピードに昇り詰めた。
 腰の輪郭が消えてた。
 牡の腰と雌の尻が打ち合い、高らかに鳴り始める。

 パンパンパンパンパンパンパンパンパン。

 まるで、廃屋に響くファンファーレのように!

「はがががががががが」

 雌は、鼻濁音を撒き散らしながら、首を踊らせてる。
 もう、視線が半分飛んでる。
 高々と掲げられた爪先では、10本の指が、花のように開いてる。

「あああああああああああ。
 イキそうだ!
 イキそうだ!」
「はがががががが」

 そのとき……。
 雌の顔を包んでた牡の指が、顎をなぞりながら降り……。
 雌の喉首にかかる。
 水鳥のように華奢な首を、たくましい牡の指が掴む。
 猛禽のように。
 そして、締めあげる。
 渾身の力で。

「ぐ。
 あぐぐ、ぐ」
「うぉっ。
 し、締まる。
 締まる」

 雌は、真っ赤に充血した顔を持ち上げる。
 両目は、引きあげられた深海魚のように飛び出てる。

「で、出る!
 出る!
 あぎゃっ。
 ぅわきゃ」

 牡は、全身に腱を走らせ、総身を跳ねあげながら精を放つ。
 万力のように締めあげられた男根は、果てしない暴発を続ける。
 凸レンズみたいに剥き出された雌の両目が、裏返った。
 同時に、牡の睾丸を叩きながら、糞便が噴き零れる。
 雌は、涙のような血を鼻から流すと、ゆっくりと首を沈めていった。
 高々と掲げた両足の爪先で、開いてた指が、夕方の花のように萎んだ。

 牡の身体は、美術室の塑像みたいに凝固した。
 犬歯を剥きだして捲れあがった唇が、幕が下りるように白歯を隠していく。
 牡は、元の監督に戻ってた。
 掴んだ両手の中で、雌もまた理事長に戻ってた。
 ただし、骸となって。

 監督は、ゆっくりと身体を離す。
 監督の下腹部で、牡は死んでた。
 腐った魚のように力を失った陰茎が、膣口から転げ落ちた。
 名残の雫を引いてた。
 ぽっかりと洞穴のように開いた膣口に、精液が盛りあがり……。
 零れた。
 脱糞で汚れた肛門に、雫が垂れる。

 監督がふらふらと後ずさると、投げ出されたパイプ椅子が、足元で音を立てた。
 監督は、夢見るような瞳で、椅子を組み立てる。
 理事長に向けて、観客席がひとつ出来た。
 ただひとつだけの席。
 でも監督は、そこに座らなかった。
 四囲を見回した監督は、壁際からあるものを拾い上げ、椅子のもとに戻る。
 手にしてたのは、太いロープ。
 ロープを抱えたまま、監督は椅子の上に立った。
 理事長の方を向く。
 理事長は、全身の穴という穴を剥き開いてた。
 それはまさに、人であることを止めた骸だった。

 監督は、梁にロープを投げ、戻ってきた一端を結び、手際よく輪を作った。
 ロープを、2,3度引いて強度を確かめると……。
 輪の中に首を入れた。
 そう。
 それはまるで、覗き窓。
 あちらの世界が見える窓。
 向こう側に渡った理事長が、微笑んで招いてる。
 監督は、それに応えて笑みを返した。
 そして、思い切り、椅子を蹴る。
 パイプ椅子は、コンクリートの床で大きな音を立て、平らに潰れた。
 監督は……。
 ぶら下がってた。
 両目が、卓球の球みたいに突き出て……。
 首が、信じられないほど長く伸びた。

 ひととおり暴れると……。
 やがて監督は、静かに吊り下がった。
 でも、一瞬静まった監督が、再び踊り始める。
 ネクタイダンスって云うの。
 首を吊った人は、四肢が、ダンスを踊るように跳ね続けるの。
 観客は、理事長になってた。
 真っ白い目玉を見開いて、監督の踊りに見入ってる。
 監督は、ロープを捩りながら回り始めた。
 夜店で売ってた懐かしいオモチャみたい。
 監督の最後のパフォーマンスは、見事だった。
 男根が、もう一度起ち上がったの。
 真っ赤に膨れた亀頭が、タクトを振るみたいに上下した。
 で……。
 くるくる回りながら、もう一度射精を始めた。
 オモチャの水鉄砲みたいに。
 ぴゅっ、ぴゅっ、って。
 飛沫が、理事長まで届くわ。
 真っ白い目玉を、袈裟懸けに叩く。
 唇から垂れた青黒い舌に、白い水玉を散らす。
 もちろん、剥き出しのおまんこにもかかる。
 きっと精子は、まだ生きてるでしょうから……。
 懸命に洞穴に潜りこむでしょうね。

 監督は、自らの踊りに伴奏まで付け始めた。
 高らかな放屁音。
 括約筋が緩んだのね。
 すぐさま、脱糞が始まるわ。
 濡れた布地のような音が、床を叩く。
 気持ちいいでしょうね。
 精を放ちながらの脱糞。
 前立腺は、きっと快感の大波に翻弄される。
 でも……。
 残念ながら、監督はもう感じることが出来ないのよね。

 ようやく監督は、踊り終えると……。
 雑巾のようにぶら下がる。
 あとは、無音の世界。
 2人の突出した眼球だけが見つめ合ってる。
 どう?
 永遠に2人だけの世界。
 誰にも見つけられず、2人は腐っていく。
 入りこんだ蝿たちが、2人の婚姻をはやし立てる中……。
 理事長の眼球が、頬に垂れ下がると同時に……。
 監督の首が千切れる。
 落ちた胴体の薄皮が弾け、腐った肉が四散する。
 床に、赤黒い水玉模様を撒き散らすわ。
 ちょっと。
 美里ちゃん、どうしたの?
 口なんか押さえて。
 あ、気持ち悪かった?
 そうかなぁ。
 いいシーンだと思うんだけど。


本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「結」 「岩城あけみ」

《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は7/13まで連続掲載、以後毎週金曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。


管野しずか×緊縛桟敷

管野しずか杉浦則夫緊縛桟敷にて掲載開始。
今回は特別編として7月に掲載した管野しずか撮影会の後半です、現場の動画も掲載いたしました。

撮影後期(五週目特別編 後半):
官能を浄化した哀しみの眼差しに、いまにも涙をこぼさんばかりのうちふるえる唇の哀しをみせて、おおぜいの男たちのぎらぎらする熱気のこもった目線を受ける、晒されて、哀しく孤独の淵にある貴女、貴女はきっと物語をつむいでいる、それは貴女の過去、あるいは幻想の世界の物語。一筋の縄の圧迫感が貴女の体をめぐり、スイチが特異な女に変換させる、そしてここにいる衆人は貴女から消え去り、貴女はひたすら孤独のなかで受縛を性の遊びとする。
管野の写真を見ながらこんな独り言の会話を楽しんだ。自由に楽しんでくださいこの貴婦人を。以前の桟敷の撮影で管野は太もも片足吊りになり、つきでた尻に濡れた秘部から愛液をひと雫こぼした、自分の体の変化は充分にわかるようで、うるんだ目を私のカメラに恥ずかしそうにさしむけた、潤んだ女の眼差しを一人静かに受け止める独占、これが撮影者の特権でじわりと心を熱くした。

放課後の向うがわⅡ-12

「理事長。
 すっごく綺麗ですよ。
 男の人だったら、今の姿見るだけで、射精しちゃうかも」

 理事長は、あけみ先生に嬲られても、もう声も出ないようだった。

「どーれ、写真の出来はどうかな」

 先生は、わたしの持つカメラから、フィルムを抜き取った。

「いい感じじゃない。
 なんか、別世界の人みたい。
 ほら」

 印画紙の中に、理事長の姿が貼り付いてる。
 昔の人が、魂を吸い取られると思った気持ちが、良くわかった。
 二次元の世界に閉じこめられた理事長は、まるで魂のコレクションみたいだった。

「理事長、ご覧になります?
 ほら」

 あけみ先生が、理事長の顔の前にフィルムを翳した。
 理事長は、苦しい息の中で、新月のような目を開いた。
 細く覗く瞳が、小刻みに震えてる。

「やめて……。
 撮らないで」
「どうして?
 こんなに綺麗なのに。
 逆さまになると、人は綺麗になるのかしら?
 理事長、今まで見た中で、一番綺麗ですよ。
 もう、犯しちゃいたいくらい。
 あの現場監督が見たら、あっという間に暴発ね。
 理事長。
 ほんとは理事長も、あの監督に興味があったんじゃありません?
 浅黒くて、引き締まってて。
 興味がありすぎて、逆にあんなにツンケンしちゃったのかしら?
 ふふ。
 子供みたい。
 ほんとは、無理難題を投げつけて、背を向けて帰るとき……。
 背中に、監督の視線を感じてた。
 衣服を灼くような熱い視線を。
 で、理事長室に帰ると……。
 もう我慢出来ない。
 監督の視線に灼かれた衣服が、我慢出来ないほど熱い。
 もちろん、その場に脱ぎ散らかすわ。
 一糸残らず」

「全裸になりたくて、しょうがないのよね。
 だって、そんなに素敵な身体してるんですもの。
 わたしだったら、見せたくて見せたくて、どうしようも無いかも。
 きっと、ストリッパーになってるわね。
 理事長も、ほんとはそうなんじゃありません?
 この学園、経営が苦しいんでしょ?
 いっそ、何もかも無くして、身ひとつになって……。
 落ちるとこまで落ちたい。
 そんな気持ちもあるんじゃありません?」

 あけみ先生は、腰をかがめ、理事長の顔を覗きこんだ。
 理事長の目は、再び閉じてた。
 耳の後ろから頬に貼り付いた髪が、震える目元まで届いてる。

「ほんとに可愛い。
 舐めちゃいたいくらい」

 あけみ先生の口から、舌が零れた。
 驚くほど長い舌だった。
 口から内臓が出てきたみたい。
 厚みのある舌が宙を舐めながら、理事長の顔に近づく。
 もちろん、先生が顔を近づけてるんだけど……。
 わたしには、舌だけが伸びてくように見えた。

「あ」

 理事長の身体が、小さく跳ねた。
 あけみ先生の舌が、頬に届いたの。

「まぁ、敏感。
 お顔まで性感帯なのかしら?」
「……、止めて」
「ふふ。
 ほんとは、舐められるの、大好きなくせに。
 知ってるのよ、わたし。
 でも、ま、いいわ。
 お楽しみは取っときましょう」

 あけみ先生は屈めてた腰を伸ばすと、理事長の顔を見下ろした。
 理事長の頭は、先生の股間をまともに見る位置で逆さに下がってる。
 いったいどんな気持ちで、股縄に括られた股間を見てるのだろう。
 苦しくて、何が見えてるかわからなかったかも知れないけど。
 その理事長の頭を、あけみ先生の両手が包んだ。

「不思議よね。
 普段見慣れてるものでも、角度を変えるだけで、こんなにも違って見えるんだもの。
 こうして見ると、人の頭って、穴だらけよね。
 ま、骨格模型を眺めれば、当り前なんだけど。
 わたしが男だったら……。
 この穴、ひとつずつに、ちんぽ突っこむかも。
 でも、気持ちいいのは、口だけよね。
 ていうか、ほかの穴には入りっこないか。
 鼻の穴なら、なんとかいけるかな。
 やっぱ、骸骨の方がいいかも。
 女性の頭蓋骨を犯す女性。
 絵にならない?
 ほら、牡丹灯篭。
 相手の女性、お露さんだっけ?
 新三郎の元に、夜な夜な通ってくる。
 お露さんは、この世のものじゃなかったのよね。
 なら2人は、どうやってヤッてたのかしら?
 きっと、新三郎は、お露の頭蓋骨を犯してたのよ。
 だって、おまんこの位置には、穴なんて無いんですもの。
 骨盤の穴じゃ、大きすぎるものね。
 その点、頭蓋骨なら、手頃な穴がたくさん空いてる。
 そのひとつひとつに、ちんちん突っこんで……。
 思い切り射精してたのよ。
 一晩に、何回も。
 それじゃ、精を吸い取られるはずだわ。

 あ、そうそう。
 忘れてた。
 理事長室での、一人エッチの話が、途中でしたわね。
 現場監督の視線で燃えあがった身体を、ひとりで慰めるお話。
 どう?
 ほんとに、してたでしょ?
 オナニー。
 まぁ、首なんか振って、素直じゃないわね。
 したに決まってるわ。
 素っ裸になって。
 そうそう、あの黒いソファーでやったのよ。
 背もたれの高い、フカフカのソファー。
 女王様みたいにそこに座って、わたしに命令してくださいましたよね。
 考えてみれば、あのソファーって、オナニーに最適じゃないかしら。
 もちろん、背もたれに包まれるように座って……。
 両脚は、大開脚。
 思いっきりおっ広げて……。
 中心の、熟れ崩れたまんこを、欲しいままに嬲りたおすわけね。
 はしたない声を、噴水みたいにふきあげながら。

 どんなヤラシイ場面を想像してるのかしら。
 そうね……。
 きっと、現場監督に縛られちゃってる場面だわ」

 場所は、半分廃屋みたいな倉庫。
 工事用の資材なんかが、乱雑に投げこまれてる。
 組み立てられたままの、鉄管の足場とか。
 可哀想に……。
 拉致されて、連れこまれちゃったのよね。
 で……。
 その、ジャングルジムみたいな足場に、縛りつけられてるの。
 大股開きで。
 そう、ソファーの格好と同じね。
 同んなじ格好を想像してるわけ。

 頭の中のシーンでは……。
 足首を吊るされて、両脚は頭より高く上がってる。
 宙吊りよ。
 もちろん、両手は後ろで束ねられてるから……。
 恥ずかしい姿は、隠しようもない。
 肛門まで、白日のもとに曝してる。

 そこに、現場監督の登場。
 理事長のあまりにも身勝手な言動に、ついに切れちゃったのね。
 で、ついに直接行動に出たわけ。
 吊るされながらも、「こんなことしてタダで済むと思うの!」とか、毒づいたでしょうね。
 もちろん監督だって、タダで済むとは思ってないわ。
 だからこそ、溜まりに溜まった思いの丈を、存分にぶちまけようとしてる。

 監督が、理事長の目の前で作業ズボンを脱ぐ。
 作業着の裾から覗くブリーフは、スパナを呑んだように膨れてる。
 それを見た途端、理事長の口から雑言が途絶えた。
 視線は、白い稜線に釘付けになる。
 その視線を確かめながら、監督はブリーフを捲り下ろす。
 転げ出すわ。
 生々しく太い一物が。
 地面から生えた子供の腕みたいに、天を指して突きあがってる。
 膨れた亀頭は、子供が握った拳のよう。
 張り詰めた表皮に窓からの光が映り、てらてらと照り輝いてる。
 黒々と穿たれた射出口が、びくびくと鼓動してる。
 そこから噴き出す精液を想像しただけで……。
 理事長のまんこは、溶け崩れそうになる。
 雫を垂らすまいと、懸命に肛門を締める。
 でも、内襞も一緒に絞られて、ヤラシイ感覚が一層高まってしまう。

「ぐ」

 歯を食いしばって、表情を殺す。
 欲しがってる顔なんて、絶対できないものね。

 でも、興奮しきってる監督は、理事長の本性にまでは気づいてない。
 灼けた鉄棒みたいな陰茎を握りしめ、にじり寄ってくる。

「来ないで!」

 理事長の悲鳴は、陰茎に対する恐怖じゃない。
 イヤらしく溶け崩れてるまんこを、見られたくないから。
 もちろん、監督が言うこと聞くわけないわ。

「あんたを犯すことを、何度想像してきたことか。
 その澄まし切った顔に、精液をぶち撒ける夢を、何度見たことか」
「こんなことして、タダで済むと思うの!」
「もちろん、思わないよ。
 だから今日は、存分にさせてもらう」

 監督は、握りしめた陰茎を、ゆっくりと押し下げる。
 亀頭から発せられるレーザー光が、理事長の額から正中線を灼き下がってくる。
 青龍刀のように反り返った陰茎が、青眼の位置に定まった。
 膨れた射出口から、スパイラルが覗いてるようにさえ見えた。

「くく」

 我慢し切れずに垂れた雫が、会陰を伝い肛門に届くのがわかった。
 知られてしまう。
 こんな格好にさせられながら、イヤらしく興奮してることが。
 ここで理事長は、信じられない行動に出た。
 腹筋をプルプルと震わせると……。
 尿道口を開いたの。
 排尿を始めたのよ。
 つまり、まんこのヌラヌラを、おしっこで隠そうとしたわけ。
 おしっこを見られるより、性癖を悟られる方を恥と思ったのね。
 誤算は、思いのほか大量のおしっこが噴き出したこと。
 膀胱が膨れたまま拉致されたのね。
 おしっこは、天井に向けて噴きあげ、放物線を描いた。

「あっ」

 監督は、思わず飛び退った。
 おしっこが、コンクリートの床を叩く。
 サイダーみたいな飛沫が、監督の毛脛に黄色い玉を結ぶ。
 それを一瞬見下ろした後……。
 監督は、放物線の奇跡に脚を踏み入れた。
 理事長の体内を巡った重たい液体は、数珠玉を連ねたように宙に放たれ……。
 窓からの明かりを映して輝き……。
 監督の陰茎に降り注ぐ。
 監督は、陰茎を扱きながら、満遍なくしぶきを塗りたくる。
 水流は、まだ止まらない。


本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「結」 「岩城あけみ」

《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は7/13まで連続掲載、以後毎週金曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。