放課後のむこうがわ 6


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放課後のむこうがわ 6

「わたしだけ残して、イッちゃうなんて……。
 ひどいぃ」

 あけみちゃんは、腰をくねらせてた。
 股間が堪らなくなってたんだと思う。
 でも、後ろ手に戒められた姿では、自らを慰めることも出来ない。
 あけみちゃんは唇を噛むと、上体を起こした。
 視線は、ともみさんの股間を真っ直ぐに貫いてた。

 ともみさんのスカートは捲れたままで、人形みたいな下半身が剥き出しになってた。
 わたしの位置からは見えなかったけど……。
 あけみちゃんの眼前には、イッた後のおまんこが、ぱっくりと開いてたはず。
 あけみちゃんの視線は、そこに縫いつけられてる。
 あけみちゃんの身体が、ゆっくりと上下動を始めた。
 最初は、何してるんだろうって思った。
 でも、すぐにわかった。
 あけみちゃんは、括りつけられた階段柱に、お尻を擦り付けてるのよ。
 視線と、お尻からの刺激だけで、ともみさんの後を追うつもりなんだとわかると……。
 こっちの股間も切なくなった。
 指先が、他人の手みたいに太腿を這いあがった。
 ショーツの股ぐりから滑りこむ。
 もう、中はぐちょぐちょだった。
 よっぽど溜まってたんだね。
 だってさ……。
 転校してから、一度もオナニーしてなかったんだよ。
 寄宿舎だったから、落ち着いて出来る場所も無いし。
 もっとも、新しい環境に慣れるのに必死で、そんなことしてる余裕もなかったけどね。
 でも、やっぱり溜まってたんだね。
 ぐちょぐちょの陰毛が指先に絡むと、もう止められなかった。
 大陰唇を押すと、お汁が沁み出すんじゃないかってほど。

 あけみちゃんは唇を食いしばり、懸命にお尻を振ってる。
 胸前に垂れた髪が、跳ねるように揺れてた。
 わたしはあけみちゃんのお尻を凝視しながら、指先をシンクロさせた。
 でも、こっちは直接クリに触ってるわけだから、あっという間に追い詰められた。
 内履きの中の足指を、懸命に折りたたんでブレーキかけたんだけど……。
 止められそうになかった。
 もうダメ、イク……。
 って思った瞬間。

「誰、あなた」

 はっきりした声が、わたしの頬を打った。
 わたしは、一瞬で凍りついた。
 目だけ動かして、声の出処を見た。
 ともみさんだった。
 仰向いた顔が、真っ直ぐにこっちを向いてた。
 さっきまで真っ白だった目蓋の間には、ダイスの目みたいに瞳が戻ってた。

 あけみちゃんのお尻を凝視しようとして、廊下の角から身を乗り出しちゃってたんだね。
 ともみさんの位置からは、わたしの姿が丸見えだった。
 ともみさんは、糸に引かれる人形みたいに、ゆっくりと身を起こした。

「まさか、観客がいたとはね」

 起ちあがったともみさんは、スカートの埃を叩いた。
 もちろん、逃げようとしたんだけど……。
 情けないことに、ずっとしゃがんでたから、脚が痺れちゃってて。
 踏み出そうとしたら、廊下に這いつくばっってた。

「動かないで」

 ともみさんに決めつけられると、もう体を持ち上げられなかった。

「メガネさん。
 あなた、何年生?
 ま、1年以外、あり得ないだろうけど。
 どう見ても、中学生だからね。
 あけみと同じ制服着てなかったら……。
 へたすりゃ、小学生に見えるよ」

 ともみさんは、あけみちゃんを振り返った。

「この子、知ってる?」

 わたしを見つめるあけみちゃんの首が、左右に振れた。

「どういうこと?
 まさか、1年じゃないの?」
「て、転校して来たばっかりで……」
「なんだ。
 転校生。
 それで、こんなとこに迷いこんだの?」

 わたしは、懸命に頷いた。

「そうよね。
 そんな体型で、1年以外のわけないわ。
 でも……。
 お股の方は、もう立派なオトナってことよね。
 わたしたちのこと見ながら、オナってたんだから。
 ふふ。
 さっき、イク寸前だったでしょ。
 小学生みたいな顔で、小鼻膨らませてさ。
 すっごく、ヤラしかった。
 あなたも、立派なお仲間ってことね。
 わたしたち、変態人間の。
 さ、こっちおいで。
 今さら逃げられないわよ。
 わたし、陸上部だもん。
 ほら、起って。
 ちょっと、手伝ってもらいたいことがあるんだ」

 ともみさんの声に応えて、わたしは起ちあがってた。
 オナニーしてるとこ、まともに見られて……。
 どんな言い逃れも出来ないってこともあったけど……。
 きっと、人に声かけてもらえたことが嬉しかったんだね。
 一生懸命、ひとりで頑張ってたけど……。
 やっぱ、寂しかったんだよ。

 わたしは、痺れた脚を引きずりながら、木橋の前に立った。
 土間コンクリートの川に架かる橋は……。
 まるで、この世とあの世を隔てる橋みたいに見えた。
 そう、橋の向こうは“彼岸”。
 おばあちゃんが言ってた、あの世の岸ね。
 わたしは、ともみさんとあけみちゃんの目を交互に見ながら、その橋を渡った。

「あなたに、やってもらいたいことがあるんだ」

 そう言ってともみさんは膝まづき、床の鞄を開いた。
 取り出したのは、厚めの本っていうか、お弁当箱みたいなものだった。

「これ、何だと思う?」

 そう言いながらともみさんは、箱をかちゃかちゃ操作した。
 箱は、たちまち立体的なフォルムに変形した。

「まだわからない?
 骨董品だからね。
 これは、カメラよ。
 ポラロイドカメラって云うの」

 組みあがった前面には、確かにカメラの形が張り出してた。

「さっき、陸上部なんて言ったけど……。
 大嘘。
 ほんとはね……。
 写真部。
 部長なのよ、これでも。
 だからわたしは3年生で、あなたやあけみより、2学年上ってこと。
 入学以来……。
 みっちり顧問の先生に鍛えられたおかげで……。
 コンクールにも入賞したわ。
 風景写真だけど。
 でもね……。
 わたしがほんとに撮りたいのは……。
 女性。
 それも、特殊な状況下に置かれた女性。
 今の、あけみみたいにね」

 そう言ってともみさんは、あけみちゃんにカメラを向けた。
 あけみちゃんの視線は、一瞬でカメラのレンズに定まった。
 ともみさんの視線も、ファインダー越しにあけみちゃんを見つめてるはず。
 2人は見つめあったまま、凍りついたように動きを止めていた。
 もう動かないんじゃないかと思ったころ……。
 ようやく、シャッター音が響いた。
 シャッター音っていうか、機械が駆動するようなウィーンって音ね。

 ともみさんは、胸前に下ろしたカメラを見つめてる。
 すぐに、カメラから厚い印画紙が出てきた。
 ともみさんは、出てきた紙をじっと見つめてる。
 頬に、微笑みを浮かべながら。
 まるで、母親が赤ん坊の顔を覗きこむようにね。
 時間が止まったみたいに思えたころ……。
 ようやく、ともみさんの顔が上がった。

「ほら、よく撮れてるでしょ?」

 あけみちゃんが、真っ直ぐこっちを見てる写真だった。
 不思議な質感の写真。
 デジカメで撮ったのとは、雰囲気がぜんぜん違う。
 レトロっていうかさ……。
 今撮ったばっかりなのに、昔の写真みたいなの。

第七話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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放課後のむこうがわ 6」への6件のフィードバック

  1. やみげん

    この作品が発表された、マニア倶楽部のグラビアでは、作中の木造校舎(かと推測します)がよく利用されていました。とってもエロチックな良い校舎であったと思います。
    なんと言っても、本物の木造校舎は、学校フェチの官能を擽るのであります。

    本来ですと、モデルさんが背景に負ける事があってはいけないのでしょうが、多くはこの校舎の圧倒的存在感に埋没し、残念ながらあまり記憶に残っていません。
    岩城あけみさんは、そういった勝ち負けを超えて、木造校舎と見事に一体化し、見る者に詩的な物語を与えてくれたのではなかったかしら。平成に入ってからの、印象深いモデルさんの一人でした。
    また、こういった作品に巡り合いたいです。

  2. ハーレクイン

    >あけみ「わたしだけ残して、イッちゃうなんて……ひどいぃ」

    ともみさんに置いてけぼりにされたあけみちゃん。
    可哀想に。
    んで、、ともみさんの「イッた後のおまんこ」をおかずに、階段柱オナニーか。

    観客、美里ちゃん。
    このひと、知る人ぞ知るオナニーfreak。
    なんせ小学生のころからのベテランだ。

    参考文献:Mikiko’s Room「由美と美弥子」

    ということで、美里ちゃんとしては我慢できぬところだわなあ。
    そこで始まる「あけ・里」のシンクロオナニー。
    といってもシンクロしてるのは美里ちゃんの方だけだが。

    で、ともみさんの次の獲物は、観客、美里ちゃん。
    こうなると、舞台も観客もないなあ。
    彼岸への橋を渡る美里ちゃん。
    此岸に帰ってこられるのかなあ。
    無理だろうなあ。

    ともみさんは陸上部。
    メモメモφ(.. )
    あ、陸上部は大嘘(おい!)、ほんとは写真部。
    再度、メモメモφ(.. )

    うーむ、ポラロイドか。
    まだあるのかなあ。

    やみげんさん仰せの木造校舎の魅力。

    今の若い方々は当然ご存じないわけですが、私ども「おっさん」世代にとっては「郷愁」そのものですね。
    ぎしぎしときしむ階段、廊下に塗られたワックスの臭い、あちこちが剥がれた板張り(当然!)の外壁。
    いやあ、なつかしいですねえ。
    地方(失礼)に行けばまだあるんでしょうが、もう映像でしか見られなくなってしまいました。

    あ、そうか。
    岩城あけみちゃんの撮影は当然、どこかの木造校舎で行われたわけですよねえ。

  3. 海苔P

    ともみさんが3年生で写真部の部長さんなんですね!
    あけみさんは1年生で美里と同級生ですね!
    さて、ともみさんとあけみさんの二人の関係が気になるな!
    美里が二人と今後どの様に絡んだいくんだろうな!
    あけみと美里の絡みが増えるのは勿論だと思うけど・・・
    きっと、あけみさんが写真部と云う事が今後の大事なポイントになるの・・・

    そう言ってともみさんは、あけみちゃんにカメラを向けた。
    あけみちゃんの視線は、一瞬でカメラのレンズに定まった。
    ともみさんの視線も、ファインダー越しにあけみちゃんを見つめてるはず。
    2人は見つめあったまま、凍りついたように動きを止めていた。
    もう動かないんじゃないかと思ったころ……。
    ようやく、シャッター音が響いた。

    物越しに見つめ合う二人のシーンとってもドキドキする。
    二人しか分かり合えない雰囲気が在って好きだな。

  4. Mikiko

     最近では、立派な木造校舎が新築されることも増えてるようですが……。
     わたしの時代は、鉄筋校舎全盛期だったので、木造校舎で学んだ経験はありません。
     実際に木造校舎に入ったのは、松本の旧開智学校くらいでしょうか。
     階段が印象的でした。
     手すりに近いあたり、生徒の上り下りするところが、すり減ってへこんでるんです。
     鉄筋校舎では、絶対に出ない味ですよね。

     作中に出てくる、ポラロイドカメラですが……。
     わたしは、触ったことはもちろん、見たこともありません。
     海苔ピーさんが書いてくださったように……。
     小道具としてカメラを使いたかったのですが……。
     あの木造校舎には、ポラロイドカメラが似合うように思いました。
     もちろん、古い一眼レフみたいなのも似合うでしょうけど……。
     その場で写真が見れませんからね。

     なお、ポラロイドカメラの音は……。
    「Poladroid」というフリーソフトの効果音を参考にしました。
     実物は聞いたことが無いので。
     ヘンだったらご容赦ください。

  5. 海苔P

    ポラロイドカメラと言えば屈辱系の官能小説によく出てきた小道具の一つですね!
    今はビデオ撮影に、その座を奪われてしまいましたが昔はホントに脅しの道具イコールポラロイドカメラでした。

    そう云えば羞恥プレイでも大活躍してましたね!
    一般の撮影マニアさんには無くてはならない一品でもあったと思います。
    あけみさんと同じ目的で使われた方も多いと思います。
    きっと幾人の女性が、その餌食になった事でしょう。
    恥ずかしいのですが私も、その餌食になった一人です。
    今となっては若かりしきの遠い昔の思い出の一つです。

    Mikikoさんのコメントを読んでいてフッと思い出してしまいました。

  6. Mikiko

     さすが、豊富な経験をお持ちですねー。
     ポラロイドカメラに、そういう役割があったとは知りませんでした。
     でも、その場で写真が出てくるという機能は……。
     今でも、代替する物がないわけですよね。
     廃れちゃったのは……。
     やっぱり、嵩張るからでしょうか?

     なお、小説中のポラロイドカメラは……。
     SX70という機種をモデルにしました。
     ある程度、コンパクトに折りたためるようです。
     これなら、通学鞄に入るだろうと思いました。
     2万円前後で買えるようですね(もちろん中古ですが)。

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