放課後の向うがわⅡ-39


「わがままな先生ね。
 わたしは、まぁくんと違って……。
 便利な奴隷じゃありませんの。
 この場を支配するのは、あくまでわたし。
 今日は……。
 徹底的に焦らしの刑」
「いやぁぁぁ」

「あら、泣いちゃった。
 ふふ。
 ほんと、苛め甲斐があるわ。
 どうしたの、山下さん?
 真後ろから、ガン見しちゃって。
 イヤらしいでしょ。
 これが、発情した雌のおまんこよ。
 真冬なら、湯気が立つでしょうね。
 しかし、どうかしら、この下半身のボリューム。

 素晴らしい豚さんだわ。
 真っ白いお肉の、食べごろの雌豚さん。
 そうだ。
 豚さんには……。
 お肉屋さんの貯蔵庫みたいに、ぶら下がってもらいましょうか。
 みんな、いい?
 もう一度、ロープ引っ張って。
 はい、何人か加勢。
 せーの。
 オーエス、オーエス。
 ほら、浮いた浮いた」
「怖いぃ」
「暴れないでよ。
 ロープが切れたら、顔から落ちるんだから。
 そこの人たち、こっち来て。
 机、片付けて。
 宙に浮いちゃった豚さんには、もうベッドは必要ないから。
 どう、川上先生。
 ご気分は?」
「助けて助けて」
「机を外したら、いっそう高く見えるでしょ。
 ちょっとだけ、ぶらーんぶらーん、してみましょうか。
 ほーら」
「ひぃぃ。
 止めてぇぇぇ」

「なんだか、ロープが危なそうだわ。
 ピキピキ鳴ってる。
 先生、落ちちゃうかも?」
「あわわわわ」
「しかし、スゴい格好よ。
 まぁくん呼んで、突っこんでもらいましょうか?
 この格好でセックスした人って、世界で初めてかも。

 バイブでもいいか。
 やってみる?
 どうしたの、山下さん?
 え?
 ロープが、ブチブチ言ってる?
 あ、ほんとだ。
 川上先生!
 危ない!
 あぁっ」

「おぉっと。
 また、妄想にのめり込んじゃってた。
 でも、川上先生良かったわ。
 落っこちたのが、わたしの妄想の中で。
 もし本当だったら、その綺麗なお顔が潰れちゃってたもの。

 ね?
 ふふ。
 ほんとにやってあげようか?
 逆さ吊り。
 ここに、加勢してくれる生徒たちはいないけど……。
 双子のウィンチという、強い味方がいるんだもの。
 どう?」
「岩城先生、ほんとに助けて」
「乳首おっ起てながら、よく言うわ。
 わたしの妄想聞いて、興奮したんでしょ?
 ほんとに、全裸授業、やってみる?
 なんとか言いなさいって。
 乳首、捻ってあげるから。
 ほら」
「ぎぇぇぇ」

「あら、いい声。
 萌えてきちゃうわ。
 あの張り型付けて、突っこみたくなっちゃう。
 さ、言いなさい。
 あの女王さまは、誰なの?」
「知らない。
 ほんとに知らない人なの!」
「まだ言うか。
 じゃ、その声で助けを呼びなさいよ。
 あの女王さまに。
 助けに来てって」
「岩城先生!
 ほんとのことなの」
「あら、理事長。
 お目覚めでしたの?
 じゃ、もう一度だけ、聞いてあげようかしら」

 あけみ先生は、川上先生を突き放すと、理事長の横たわる畳に向き直った。
 ゆっくりと歩み寄っていく。
 わざとお尻を振りながら。
 裸電球の作る陰影が、尻たぶで踊ってた。

「ひとりぼっちにして、ごめんなさいね。
 こんな格好じゃ、オナニーも出来ませんものね。
 それじゃ、最後のチャンスよ。
 あの女王様は、誰なの?
 おっしゃい!」
「知らないって言ってるでしょ!」
「あら。
 そんな口を利くわけ?
 ご自分の立場が、わかってらっしゃらないようね。
 そういう悪い子の乳首は、捻りあげてあげます。
 ぎぅぅぅぅ」
「いぃぃ」

「ほーら。
 どんな偉そうな口利いたって、こうされただけで雌に成りさがる。
 いいんでしょ?
 好きなんでしょ?
 こんなふうに苛められるのが。
 どうなのよ!」
「痛い痛い痛い」
「蝋燭はもっと痛かったでしょうに。
 女王様は、どうしたら来てくれるの?
 電話で呼ぶの?
 わたしがダイヤルしてあげるから、番号言いなさい。
 ほら。
 下も弄ってあげるから。
 ふふ。
 下のお口は、こーんなに正直。
 身動きできなくされて弄られるの、大好きですって言ってるわよ。
 ヤラしい音立てちゃって。
 くちゅくちゅ言ってる。
 いいでしょ?
 ここが、いいんでしょ?」

 理事長は、腹筋を浮き上がらせた。
 尻たぶの窪みが、深い翳を孕む。
 眉根に皺を寄せ、歯を食いしばってる。

「こんなにクリ、おっ起たせて、まだ気取ってるつもり?
 潰してあげるわ」
「あひっ」

 理事長の唇が割れた。
 崩れた表情は、もう快感を隠せてなかった。

「ひぃぃぃぃ。
 あかっ。
 あかかかかか」
「イキそう?
 もうイキそうなの?」

 理事長は、子供みたいにうなずいた。
 泣きそうな顔で、何度も。
 何度も。

「イカせてあげない」

 あけみ先生が、理事長の股間から手を離した。
 虚空に上がった指は、電球の明かりを返して光ってた。

「あぁぁ。
 意地悪しないでぇ」

 理事長は、腰をうねらせた。
 あけみ先生の指を慕うように、腰が持ちあがる。
 あけみ先生は、テラテラと光る指を、唇に含んだ。

「イヤらしい味。
 こんなに濡らして。
 変態」
「もうちょっとなの。
 もうちょっとでイケるから……。
 お願い。
 続けてぇぇ」
「恥知らず。
 弄って欲しかったら、女王さまを呼びなさいって」
「こちらから呼び出すわけじゃないのよ。
 突然、現れるの。
 2人で……。
 ゆうちゃんと2人でいるときに限って」
「今も2人いるじゃないの」
「2人で、愛し合ってるとき」
「愛し合ってる?
 は。
 教育者は、相変わらず綺麗事がお好きね。
 早い話、2人でサカってるときってことね。
 べちょべちょのまんこを、擦り合ってるときでしょ。
 イヤらしい音立てて。
 こんなふうに?」

 あけみ先生の手が、理事長の股間に舞い戻った。

「はぅ」

 あけみ先生の二の腕が、細かく振れ始めた。

「あひぃ」

 理事長の腰がうねり、背中がアーチを作った。

「どう?
 お味はいかが?
 ピアニストの指は、病みつきになるわよ。
 それ、フォルテシモ」

 理事長の首が、自らの股間を覗きこむまで起きあがった。
 眉が、阿修羅像のように吊りあがってた。
 口は、一文字に結んでる。
 眼球が、引きあげられた深海魚みたいに突出した。
 自らの最期を見届けようとしてるようだった。

「ぶぶぶぶぶぶぶ」

 理事長の唇が、アヒルの形に突き出て、ぶるぶると震え始めた。
 唇の端からは、涎が噴きこぼれてる。
 見開いた両目は、あけみ先生の手元を睨んでる。

「がっ」

 張り詰めてた理事長の顔が、突然弾けた。
 爆風が、表情を吹き飛ばしたみたいだった。
 顎が外れたようにぶら下がった。
 口蓋の中で、舌だけが転がり動いてる。
 目は見開いたままだったけど……。
 綺麗な紡錘形の窓の中には、瞳が無かった。
 真っ白な双眸が、自らの股間を睨んでる。

「はがぁ」

 理事長の頭が、大見得を切るように揺れ……。
 そのまま、真後ろに落ちた。

「呆れた女。
 怒った顔してイッちゃったわ。
 イキそうな表情すると、また止められるとでも思ったのかしら。
 浅ましさもここに極まれりって感じだけど……。
 ちょっと可哀想になっちゃうわね。
 さてと。
 ともみさんは、2人一緒のときにだけ現れるって言ってたわよね。
 にわかには信じられないけど。
 でも、せっかく2人揃ってるんだから……。
 試してみる価値はあるわ。
 美里も会いたいでしょ?
 ともみさんに。
 それじゃ、お望みどおり……。
 2人一緒にしてあげましょうか。
 場面転換よ」

 起ちあがったあけみ先生は、理事長に背を向けかけて動きを止めた。
 再び理事長に向き直る。

「脚が、ちょっと鬱血してるみたいね。
 あんまり力入れてイクからよ。
 縄が食いこんじゃってる」

 あけみ先生は、理事長の足元にしゃがみこみ、縄を解き始めた。

「ほーら、楽になった。
 脚、伸ばしてあげましょうね。
 いい子いい子。
 お人形さんみたい。
 壊れたお人形さんだけど。
 目が真っ白で。
 ここで、しばらくおネンネしててね」


本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「川上ゆう」 「結」 「岩城あけみ」

《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は毎週日曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。


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