放課後の向うがわⅡ-45


 理事長のバイブはそのままに、わたしはその場を立った。
 入口脇のテーブルから、カメラを取って戻る。

「ほら、そこから撮ってごらん。
 ちょっと、待って。
 わたしが構図を決めてあげる」

 あけみ先生は、ファインダーの視界から外れると、わたしの真後ろに回った。
 わたしの肩越しに、畳の舞台を眺めてる。

「ははは。
 こんな構図でシャッター切れるの、一生に一回かも知れないわよ。
 ほら、構えて。
 柱のディルドゥも入れてね。
 天狗様みたいに、2人のまんこ狙ってるとこ。
 ほら、川上先生、顔上げて」
「撮らないで。
 お願い、撮らないで」
「わがまま言わないの。
 理事長は、ちゃんと顔上げてますよ」

 舌をクリップで吊りあげられてる理事長は、顔を隠すことが出来ない。
 川上先生は、懸命に面を伏せ続けた。

「言うこと聞かないモデルさんね。
 仕方ないか。
 これで撮りましょう。
 はい、お2人さん、いきますよ。
 美里、しっかり構えて。
 両脇を締める。
 そうそう。
 はい、チーズ」

 遠い恒星の爆発みたいに、フラッシュが光った。
 あたりを一瞬だけ照らして、電球は潰れた。
 カメラの前部から、フィルムが吐き出される。
 あけみ先生の手が、わたしの肩越しに伸び、フィルムを取り上げた。
 先生は、わたしに負ぶさるような姿勢のまま、フィルムを掲げた。
 先生の体温を、背中に感じた。
 剥き出しのお尻に、先生の太腿が吸いついてる。

「ほーら、出てきた出てきた。
 美里。
 入部試験、合格よ。
 綺麗に撮れてる。
 残念ながら……。
 お股の糸は、落ちちゃったみたいだけど。

 モデルさんにも見せてあげなきゃね」

 あけみ先生の体温が、背中を離れた。
 イエローカードのようにフィルムを掲げながら、2人のいる舞台に戻った。

「ほら、理事長。
 ご覧になって」

 フィルムを目の前に翳された理事長は、顔を歪めた。

「ツルマンに突っこまれたバイブまで、はっきり写ってるでしょ?
 お顔もちゃーんと撮れてる。
 これなら、誰が見ても理事長だってわかりますわ。
 明日、学校に掲示してあげましょうか?
 生徒たち、大騒ぎよね」

 理事長は、泣き顔でしか答えられなかった。
 あけみ先生は頬骨で笑うと、理事長の視界からフィルムを抜きあげた。
 次にフィルムが翳されたのは、川上先生の顔前だった。

「ほら、先生。
 綺麗に撮れてるでしょ。
 どうしたの?
 ちゃんと見なさいよ」

 川上先生は、額に皺を寄せたまま、フィルムを見ようとはしなかった。

「いけませんね。
 現実から目を逸らしてちゃ。
 これが、今のあなたなのよ。
 素っ裸で吊り下げられながら……。
 おまんこを、茹で肉みたいに濡らしてる。
 そうでしょ?」

 川上先生は、口をへの字に歪め、かぶりを振った。

「正直になりなさい。
 楽になれるわよ。
 言ってごらん。
 わたしは変態ですって。
 言いなさいってば」

 あけみ先生は、川上先生の髪を掴み、フィルムを眼前に突きつけた。
 川上先生は、目をつぶって拒み続けた。

「見なさい」

 あけみ先生は、フィルムを川上先生の顔に押しつけた。
 顔面にシールを貼るように、手の平で擦り付ける。
 手の平を外すと、フィルムは一瞬だけ川上先生の顔に留まった。
 上半分を白い矩形で隠された顔は、死者を表す記号のように見えた。
 でも、皺の寄ったフィルムはすぐに顔を離れ、翻りながら畳に落ちた。

「ほんと、素直じゃないわね。
 本気で腹立ってきた。
 徹底的にお仕置きだわ。
 さてと。
 次は、どことどこを繋いであげましょうかね。
 ほーら、今度はこれよ」

 あけみ先生は、畳から新たなチェーンを拾い上げた。
 片側のクリップを摘んで、チェーンを吊り下げる。
 先生は、クリップを揺らして見せた。
 下のクリップが触れ合って、かちゃかちゃ音を立てた。
 下のクリップは、ひとつじゃなかったの。
 つまり、上のクリップからは、チェーンが2本下がり……。
 それぞれの先に、クリップがひとつずつ付いてた。

「じゃぁ、まずは……。
 舌だけ挟まれて可哀想な、理事長からね。
 今度は、気持ちいいとこ挟んであげますよ。
 どこがいいですか?
 やっぱり、おまんこ?
 でも、それは贅沢ですわよ。
 おまんこは、バイブを口いっぱい頬張ってるじゃありませんか。
 どこがいいかなぁ……。
 なんて。
 ほんとは、最初から決めてるんだけどね。
 それはもちろん……。
 格好のいい、この乳首。
 大きさといい形といい、完璧よね。
 いかにも吸ってくださいって感じ。
 じゃぁ、クリップで挟みやすいように……。
 勃起させてあげましょうね」

 あけみ先生は、束ねた指先を、ゆっくりと乳首に近づけた。
 子供が、ケーキのトッピングを摘もうとする仕草に見えた。

「えい」

 指先が、乳首を捉えた。
 理事長の腹筋が浮きあがる。

「あれ?
 ひょっとして、すでに勃ってます?」

 理事長は動かせない顔を懸命に歪め、否定の意志を表してた。

「うそおっしゃい。
 バイブ突っこまれて、乳首まで勃ててたんだわ。
 ヤラしい女。
 そんなにお待ちかね?
 じゃ、クリップの大顎に捧げる前に……。
 ちょっとだけ、気持よくしてあげる。
 ほーら。
 どう?」

 あけみ先生は、小指を除く4本の指先を束ねた。
 小指だけが、いたずら小僧のように跳ねあがってる。
 4本の指先が乳首を摘みながら、擦り合わされ始めた。
 波間に揺れるイソギンチャクみたいだった。

「いいでしょ?
 指の腹が、乳首を刺激し……。
 指の先が、乳輪を刺激する。
 ほら、乳輪の突起まで起ちあがった。
 指先に当たる当たる。
 このブツブツ、何て云うかわかる?
 わからない?
 そう。
 覚えておきなさい。
 モントゴメリー腺。
 刺激を受けると飛び出て来るの。
 乳首と乳輪を保護する皮脂が、ここから出るのね。
 大事な器官よ。
 ほーら、理事長。
 気持ちいいですか?
 こちょこちょこちょ」
「は、はんがはんが」

 理事長の腿裏に、稲妻のように腱の筋が走った。
 爪先の指が、色を変えて折りたたまれた。

「このままイッちゃえそうね。
 それじゃ、ストーップ」

 あけみ先生の指先が止まり、ゆっくりと乳首を離陸した。

「ほら、美里。
 見てみ。
 勃起した女の乳首って、魅力的よね。
 モントゴメリー腺が、またいいわ。
 見てるだけで、背中がさわさわしてきそう。
 男だったら、これをオカズに、何本でも抜けそうよ。
 理事長?
 どうしました?
 そんな切なそうな顔して。
 もっと弄ってほしいの?
 でもそれは、あまりにも欲深い心根ですわよ。
 まんこ一杯に頬張りながら、乳首も弄れなんてね。
 いいこと。
 いい目を見たあとには、辛い見返りがあるものなの」

 あけみ先生は、クリップを吊りあげると、理事長の顔の上に垂らした。
 クリップの先が円を描くと、理事長の瞳がそれを追って動いた。
 頬に、翳のような引き攣れが走る。
 怖いのは無理もなかった。
 金属製のクリップは、無慈悲な輝きを撒き散らしてる。
 あけみ先生の指先が、チェーンを手繰る。
 クリップは、主人にだけ従順な犬のように、先生の手に収まった。

「それじゃ、いきますよ」

 あけみ先生は、口角を上げたまま、耳の脇にクリップを構えた。
 笑う招き猫みたいだった。
 耳の脇で、クリップの口が開いた。

「ひぃぃ」

 理事長の口から、掠れた草笛が聞こえた。
 両目が大きく見開かれ、瞳が溺れるように震えてる。
 あけみ先生の腕が、ゆっくりと降りていく。
 クリップの軌跡が、震える乳首へ一直線に伸びる。

「えい」
「はぎぃ。
 はんがはんが」

 クリップの大顎が、乳首を噛んでた。
 ボールみたいに形の良かった乳首は、無残にひしゃげてる。

「ふふ。
 これで、母乳噴いてくれたら、最高なんだけど。
 ま、そこまでは無理よね。
 それでは、片方だけじゃ可哀想だから……。
 もう一つの乳首にも、付けてあげるね。
 そのために、クリップが2つ付いてるんだから。
 それ」
「はんぎ。
 はんぎぃ」


本作品のモデルの掲載原稿は以下にて公開中です。
「川上ゆう」 「結」 「岩城あけみ」

《説明》
杉浦則夫の作品からインスピレーションされ作られた文章作品で、長編連載小説のご投稿がありました。(投稿者 Mikiko様)
本作品は毎週日曜日に公開される予定となっておりますので、どうぞお楽しみに。
前作を凌ぐ淫靡と過酷な百合緊縛!「川上ゆう」さん、「YUI」さん登場予定作品です。
時を越え、再び出会った美里とあけみ。現在に戻った美里は、さらなる花虐へと誘われていく…。


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