なんらかのカタチ

校庭の真ん中ではいつものように長く伸びる影を相手にして漫才の練習をしているカウチがいる。

『3年b組』
黒板には今の僕には到底理解のできない難解な文章がつらつらとかかれそれを真剣に机に向かい
ノートに書き込む事になんの疑問をもたない三十人足らずの生徒たちは一心不乱に書きこんでいる。
それを横目で舌打ち一つ。
三階の水飲み場ではノウタがまた一年生に俳句を叩きこんでいる、その姿をやり過ごす同級生達
誰もいない廊下には教室から聞こえてくる老人達の抑揚のない声だけが
ひっそりと響き渡り、捻りっぱなしにされた蛇口から流れ出る水はとても鈍い。
どんよりとした空の下にある今日ををみなが当たり前に生きている。

放課後、誰もいなくなった学校には何も包まれていない何か無垢ななにかがあるのかも?

五年後には埋め立てられてしまうようなこの街ではいつも寝付きがわるい

『仮面夫婦その後』
置いてきぼりにされた山中から見事に生還したサナは飢えを通りこしたうえで生きる事に餓えていた、目の前で起こることすべてを受け入れたうえで。

『スカート』
赤い服が良く似合うなんて言葉を真に受けて、ママに買ってもらったこのニットもだいぶ古くなり入念に毛玉をとらないと外へでるのもためらうほどだ。
放課後 学校の裏に呼び出された。
一瞬 自分が自分でなくなった、それからは…もう。
なすがままされるがママ。
新入生が植えた黄色と赤色の花壇は私のそれ以前とそれ以後みたくキッチリ分かれていた。

『パン粉』
運をはこぶ鳥をつかまえたのは当の昔
フラチナ言葉で濡れる自分にいらだち、金に困るアイツをかばうふり
考えがあってこそ
愛があってこそ
今でこそ、歩くのが好き
あぁもうすぐ夜になる

先日公開された雛奈子さんの現場動画の長尺版を絶賛編集中です年内にはなんらかのカタチでお目にかかれるとおもいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください