若菜亜衣×卒業式×緊縛桟敷

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。
前回は女学生の設定でお願いした、緊縛撮影は初めてでしたので表情をひきだすのに苦労した、もともと亜衣の顔立は苦悶とか妖艶さを求める顔立ちではなく素朴な可愛らしさを写しこむのがいい、たまたま前回の撮影で緊縛が本当に痛かったのか、まぶたをはらして大粒の涙を流した可憐さをもういちど撮ってみようとシーズンに合わせて卒業式の設定にした。
私たちの若い頃は卒業式の装いは矢絣にはかまとハイカットの靴というのが一般的でしたが今はずいぶんと華やかになった、それを亜衣に着せてみると可愛い顔立ちにぱっと花が咲いたようによく似合った。亜衣自身来年には本当の卒業式でこんな衣装を着て参列するのだろう。 
涙とよだれと鼻水がなぜか苦悶の表情と同じように重要な表現になっている、前にも書きましたがよだれと鼻水が緊縛すきな女性の絶頂感とリンクするのが不思議だ。
私の見解ではこれは10年ほど前からおこってきたことだと不思議がっている。
さて亜衣をとりまく経済的な環境の厳しさを伝え聞いた先入観からか今回の撮影での亜衣の涙に自身のあわれさが見て取れるようになった、前回は即物的な痛みから流す涙今回はそれに心が経済的な金銭を大学の授業料をこのようにして衆目のなかで裸を晒し稼がなければならない涙、あわれに流れ落ちる涙のうちに亜衣の悲しみにふれてこの写真を観てください。

とても従順な性格で撮影現場のうけはどの現場でもとてもいいとマネージャはいう、たしかに今日も足首にひどい縄痕が残るほどに吊られているのに涙は流してもこごとは一言もきかない、休憩時間にはスタッフが「だいじょうぶ」と心配そうに問うと笑顔で可愛く「はい」と答えていた緊縛好きな女性を撮影する修羅場のような緊張もいいが亜衣のように縄にうぶな少女をいたわりの気遣いで撮影をすすめるのも楽しみのひとつだ。

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。

若菜亜衣×緊縛桟敷 下

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載中。

今回は緊縛新聞のコラムを書いてる「やみげん」さんが撮影に同行しましたので、
その撮影同行記を上下に分けて掲載致します。本文に掲載している若菜さんの画像は、
当日Twitterで配信された実況中継の画像を使用しております。

杉浦則夫Twitter
http://twitter.com/#!/sugiuranorio

■月光~若菜亜衣・緊縛撮影感想文~ (文:やみげん)

地上3F(更に1階?上に続く階段はあったが)、地下1Fの学校スタジオには、保健室もあった。その隣には職員室、校長室まであるではないか。学校フェチとしては嬉しくなるな。いつまでも此処に居たくなる。
多分これらは、それぞれ、病院、会社オフィス、社長室としても使われるのだろうが。

その職員室でも、鬼畜教師のペットとして、良いように弄ばれる若菜亜衣さんの姿があった。
下校時刻は過ぎているようだ。薄暗い部屋の中で、セーラー服姿で緊縛される彼女が浮かび上がる。二の腕に上下に掛かる麻縄の間で、紺の制服生地が鈍く光っていた。
撮影風景を遠めに見ながら、純粋に「綺麗やなぁ…」と見とれていた。

そして、ちょっと学校ではお目にかかれない部屋もあった。
地下室である。なんと怪しげなバーカウンターまで付いているではないか。
朝、撮影前に、地下室奥の檻の中に入ってみた。頑丈な鉄格子…これは、おふざけでも檻を閉められたらかなりの恐怖を感じる。
一介の教師が、校内の施設を勝手に改装した、とするには大掛かり過ぎる。彼女の妄想内の場面としても、やはり、学校から場所を移して、秘密の地下室に連れ込まれた、とするのが自然だろう。

日暮れ頃。
その地下室に、学校机や体育マットを持ち込んで、撮影は開始された。
地下独特の重い空気。照明を点けると室温はグングン上がっていく。先程の職員室とは違い、今度は彼女の白肌が暗闇に浮かび上がる。天井のパイプから奈加さんの麻縄が降りてくる。
それだけでなんとも淫靡な舞台ではないか。
ソフトなものから、次第にハードな縛りになっていく。その過酷さに、彼女の苦悶の表情、眉尻の影が濃くなっていく。

ふと、この光景がかつての小劇場でのアングラ演劇と重なった。
平成に入り間もない頃。下北沢や新宿、街の華やかでキラキラした風景から、切り離され、忽然と存在した閉鎖空間。闇。熱気。ライトに浮かび上がる蠢く肉体。

「あ…」と、この時になって、彼女の醸す懐古的郷愁の真の在処を発見した気がした。
そうか、彼女の持つ独特の雰囲気は小劇場の舞台に立つ女優のソレだったのだ。TVなどで見かける、最大公約数を意識した薄っぺらな美人ではない。個性的で、鋭く、凛と起つ美しさ。

その彼女が、いま其処に吊られている。
目の前1m先、目線より下30cmのところに、ポッカリと月が浮かんでいた。
満月?いや、半月状の球体が二つ向かい合うように、真っ黒な空間にポッカリと。
浮き出す感じ。迫り出す感じ。
圧倒的存在感をもって、その肉塊は、無重量に麻縄で吊られていた。

しばし見入る。

やがて、若菜さんから「むふぅぅぅ」「くふぅぅぅ」と、声が漏れ出した。
誰に助けを求めるわけでもない。吊の苦しさを堪えに堪えているのが分かった。「もう少しだ!頑張れ!」杉浦先生の声、奈加さんの声も聞こえる。物語が、クライマックスを迎えているのが分かった。
彼女の我慢強さは、多分、雪国出身であることと無関係ではあるまい。そう、後になって理解する。

そんな熱気の中、気が付くと撮影は終わっていた。縄から解放された彼女の泣き顔も綺麗なものだったな。
その直後でさえ、振り返ると、全てが白昼夢、幻想であったかのように錯覚する。まさに、少女の妄想に触れたのか。
刺激に満ちた、しかし不思議な1日であった。

スタジオの外に出ると、夜の景色。皆様、長時間の撮影お疲れ様でした。
奈加さんの車で最寄駅まで送ってもらった。車から降り、電車に乗るまでの僅かの間、空を見上げてみたが、都会の夜は明るすぎて、その日が月夜であったかは定かでない。

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載中。

若菜亜衣 撮影企画から後記

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。

現在緊縛新聞コラム筆者の若菜亜衣さん撮影同行記が掲載されておりますが、この同行記の前に撮影に同行していただくにあたり、企画コメントをいただいておりました。
大変緻密に書かれましたコンテを興味深く読みましたが企画が深く組まれていますだけにその一部分でも週略すれば企画全体を壊しかねなく、私は女学生の妄想としました。
そして、一冊の緊縛写真集を偶然みた衝撃が少女の性にかかわる顛末を表現してみました。登場の男は架空であり格シーンには実在しないとします。

撮影後記は後回しにして、まずは上記草案をそのまま掲載致します。

高円寺A子「帰納」(原案:やみげん)

■ 主題
・ ファーザー・コンプレックス
・ 置き換え
・ 擬似近親相姦

■ 登場人物
・ 高円寺A子:公立高校2年。10年前、小2の時に他界した芸術写真家の一人娘。母子家庭。
・ 担任教師(教科は生物):A子のクラス担任。写真部顧問。以前、A子に対するイジメを解決した事がある。

■あらすじ
【自室】「追憶」
10年前に他界した芸術写真家の忘れ形見A子。彼女は、今でも父親を慕っていた。若く、やさしかった父親、その幻影に恋していると言い換えても良い。
ある日学校で、何者かが彼女の鞄の中にSM写真集を忍ばせる。帰宅し、本を発見するA子。名前は違っていたが、それが父の写真であることは、すぐに分かった。
彼女は、ショックを受けながらも、これまで知らなかった父の一面を見たい一心で、恐る恐るページを捲るのだった。次第に、その淫靡な世界に引き込まれていくA子。幼少の自分は、父から十分に愛されていたと思っていたが、それとは別な愛情を、縛られたモデル達に注いでいるようで、強烈な嫉妬を感じている。檻に閉じ込められた女…あたかも凛とした父の強い意志が彼女を囲い込み、それ故に、彼の愛を独占しているかのように、娘には見えた。
いつしかA子は、父を想い、わが身を緊縛写真に重ねあわせる。父に縛られ、その姿を写真に撮られる自分を想像し、彼の(大人の)愛を感じながら、オナニーをはじめてしまうのだった。

【教室】「幻想」
A子のクラス担任は、ちょうど父が亡くなった時の年齢と同じだった。容姿や背格好もどことなく似ている。以前、A子がイジメの対象になった時に、熱心に問題解決にあたってくれた事もあり、今も憶えている父の、強くやさしい面影を、彼の中に見ていた。
A子が写真部に在籍しているのは、写真家であった父の影響だけではなく、この担任教師が顧問であった事も、大きな理由であった。
すでに午後の授業が始まっていたが、昨夜見た、父の緊縛写真の事が頭から離れず、担任の受け持つ生物の授業も上の空のA子。父に似た先生に、縛られて、写真を撮られてみたい。
写真集のポーズの中でも一番過激な吊りが思い浮かぶ。大きく開脚され、レンズの前に秘部を晒されたモデル。苦悶の表情の向こうに至福が透けて見えた。
それが適わなくても、と思う。授業中、縛られたまま狭い教卓の中に押し込められ、他の生徒に気づかれぬように、先生の股間に奉仕させられている姿。机に仰向けに拘束され、生物教師の手によって、女の敏感な部分をピンセットで摘まれ、言葉弄りされる様も妄想した。
少しでも、父に近づきたい。そんな想いが妄想を加速していた。

【職員室】「覚醒」
「今日はどうした?授業もクラブもボーっとして」
写真部の活動が終わり帰ろうとしたところを、担任であり顧問でもある教師に呼び止められた。なにか、悩みがあるなら聞くぞ。A子は、職員室へ来るように言われる。核心に触れぬまま、他愛もない写真談義ばかりで時が過ぎていく。いつしか日も暮れ、職員室は2人きりとなっていた。そして担任が煎れた、睡眠薬入りのお茶によって彼女はウトウトと眠りに落ちてしまう。
二の腕に痛みを感じ、目を覚ますA子。彼女は緊縛され暗い職員室に転がされていた。
闇の向こうに教師は立っていた。そして、A子の父親のSM写真について語り始める。
「君のお父上はね、美しく煌びやかな芸術作品だけでは満足出来なかったんだよ」
醜悪なモノの中にこそ、真に美しいものが隠されている。その事を教えてくれたのが君の父上だったのだ。そのように担任教師は回想する。そして、用意した鼻フックを取り出し、教え子の顔を醜く弄り出す。「綺麗だよ綺麗だよ」耳元で繰り返す男が、手鏡を彼女の目の前に差し出した。
その鏡に映る自身の醜く歪んだ顔、そして全裸に向かれ、恥かしい姿で緊縛された姿。(本当に父は、これを美しいと思ったのだろうか?)だとすれば、もっと知りたい…私の知らない父の心を。
彼女は耐え難い恥辱を感じながらも、秘奥から熱い愛液が溢れてくるのを感じるのだった。

【地下室】「帰納」
その夜。A子は教師に導かれるままに、淫欲に身を任せている。もはや、彼女に恫喝は必要ない。担任の自宅地下に造られた、秘密の監禁室。それは、昔父が撮影したSM写真の背景と同じに見えた。不思議な既視感だった。
「さぁ、もっと綺麗にしてあげよう」と、教師は教え子に浣腸を施す。「君の中の汚いものをさらけ出しておくれ」とも言った。
檻の中、バケツを宛がわれ、汚物をひり出す。
幼少期にオマルに跨って排便をした記憶が蘇ってきた。あの時、父は私の排便姿を微笑ましく見守っていた気がする。それ以前、父も、私のオムツを取り替えていたのだろうか?そんな想いが頭を掠めていた。
現実と妄想の狭間で、娘は父の幻影を一心に貪ろうする。「もっと!もっと!」と、うわ言のように、さらなる加虐を父に似た男に要求するのだった。
地下室での吊りは、昼間教室で夢想したものと同じであった。父の写真世界に溶け込んでいくA子。縄がキツク、身を絞り上げていく程に、時を超え、父親の愛情に抱きしめられていく錯覚に溺れていく。
知らぬ間に、懐かしさと嬉しさで、涙が溢れ出していた。

【余談】
言うまでも無く、最初に、A子の鞄にSM写真集を忍ばせたのは担任教師である。彼は、学生時代から、この(緊縛)写真家の熱心なファンだった。A子の担任となった時、彼女が写真家の娘である事に気付いた彼は、「きっと娘もSM好きに違いあるまい」と勝手に思い込む。
彼女がクラスメイトからイジメに遭うように仕向け、そしてその後、助けたのも彼の謀によるものである。A子が、酷いイジメにじっと耐える様子を観察し、「この教え子はMである」と確信する。そして、徐々に彼女との間合いを詰めながら、教え子を淫靡な世界に引きずり込む機会を伺っていたのだった。

■ 各シーン、キーワード
【自室】緊縛写真集・妄想・オナニー
【教室】妄想・机貼り付け・解剖実験(ピンセット)・吊り・教卓
【職員室】顔面弄り・ハナフック・鏡
【地下室】檻・浣腸・掃除バケツ(オマル)・吊り

■ その他(リクエスト等)
・ 前二つはA子の妄想。後二つは、現在と過去が彼女の中で重なり合うイメージです。
・ 教室での妄想部分。担任教師は、生物の授業をしているわけなので、黒板には何か解剖図や、花の受粉・生物の受精等の図が、描いてあるか、貼ってあるかしてあると、ピンセットで弄る際に、関連が分かりやすいかもしれません。
・ 教室での妄想の吊りと、地下室での現実の吊りは、(可能であれば写真集の吊も)ポーズをわざと同じにしたほうが、教室の「妄想感」が強調される気がします。
・ 檻の中。A子に首輪をするかどうか、判断迷いました。彼女の精神を現実に繋ぎ止めておくよりも、自由に開放してあげて、父親の元に逝かせてあげる方がいいかな、との思いがございます。

■撮影後記(筆:杉浦則夫)
今回が初めての緊縛撮影であり、かなり緊張して亜衣さんはスタジオ入りをしました。そんなわけで始まりのシーンは表情がかたくありましたがシーンを重ねると清楚な顔立ちに哀しい羞恥の表情が現れるようになりました。
私はそのうえに涙をかさねたく要求しましたがモデルになって日のあさい亜衣さんには無理な要求でした、それが突然と表情を一変させて目を赤くはらして涙をポロポロながしはじめた。可憐な花が花弁をむしりとられて裸にされるおのれ身の哀しさを嘆くような涙です。私は感動しました、そして縄拘束の厳しさを教え込もうと拘束を厳しくして亜衣さんの涙のあふれるのを歓喜の想いで映しこみました。

若菜亜衣さんは久しぶりの知的で清楚なモデルさんです。大学3年生ですのでいま就職活動の真っ最中です、来年はその方面の活動に忙しく今年いっぱいでモデルを引退とききますから今月25日に卒業式のはかま衣装で撮影します。

以上。

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。

若菜亜衣×緊縛桟敷 上

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。

今回は緊縛新聞のコラムを書いてる「やみげん」さんが撮影に同行しましたので、
その撮影同行記を上下に分けて掲載致します。本文に掲載している若菜さんの画像は、
当日Twitterで配信された実況中継の画像を使用しております。

杉浦則夫Twitter
http://twitter.com/#!/sugiuranorio

■月光~若菜亜衣・緊縛撮影感想文~ (文:やみげん)

漆黒の闇に、月が浮かんでいる。
月は、わずかに緊張と収縮を繰り返しているように見えた。

杉浦先生より、「今度、学校スタジオでグラビア撮影があるので、見学しませんか」とのお誘いを頂き、そして、実際に見学させて頂いてから、随分と時間が経ってしまった。
モデルの若菜亜衣さんの事、縄師の奈加あきらさんの事、スタッフさんの事、学校スタジオの事。そして、なにより杉浦先生の事。書く事は、山ほどあり、なんとか整理をつけよう、つけようと思っているうちに、益々整理が付かなくなってしまった。これでは、どうにもいけませぬ。
ただ、時間の経過とともに、余計な記憶がそぎ落とされ、書き残すべき事象だけが、より鮮明に思い出される気がする次第。…いや、作文が遅れた言い訳ではない。

いずれにせよ、普段部屋に引きこもり、ほとんど外界との接触がない筆者にとっては、全てが刺激であった。記憶が絞り込まれてなお、やはり整理は付かないままなのだ。
だから、ひとまず今回は、緊縛モデルについて書き残そうと思う。

若菜亜衣さん。
キメの細かい美しい肌だった。雪国育ちらしい。

彼女についての第一印象。
「なんて、懐古的郷愁…いや、昭和的と言うべきか」
である。
はて、この郷愁は、どこから来るのか。すぐに思い当たった。似ているのだ。

AV女優に限らず、一般のモデル、女優、はたまたアイドルは、時代を螺旋状にぐるぐると、同じ系列の容姿、(設定上の)性格の人物が、ある一定の周期で現れる。
おそらく、男が好むタイプが、数えられる程度にパターン化されている為に、座れる席が限られており、ある者が、歳をとり、あるいは流行から外れ離席(引退)すると、新たに、別な者が獲って代わる。緊縛モデルも例外ではない。

そういった意味で、この若菜亜衣というモデルさんは、過去の緊縛史の中で、以下の系譜に分類された。もちろん、あくまで私個人が感じた“雰囲気”ということである。

まず、こちら。
芳村なぎささんは、昭和54頃に活躍されたモデルさん。昭和緊縛史の第二集に掲載されている。杉浦先生によれば、東京三世社の応募モデルだったらしい。もち肌が素晴らしいお嬢さんだった。

そしてそれから、約20年後に登場したのが、渡辺美千代さんである。記憶と記録があいまいなのであるが、おそらく平成8年頃を中心に活躍されたモデルさんである。昭和緊縛史では第三集に掲載されている。この方は雰囲気と言うよりは、若菜亜衣さんと見た目そのものが似通っているように筆者には見えるのだが。いかがだろうか。

お二人とも当時、かなりの露出であった。つまり、それなりの人気があったという事である。
その点から言っても、杉浦先生のみならず、奈加あきらさんも、「良い演技指導が付けば、この娘は伸びる!」と褒めていたのも頷ける。
要は、男好きするタイプなのだろう。

しかし、撮影終盤になり、若菜亜衣さんのもつ郷愁の源泉が、実は全く別な場所に在る事に気が付く。
考えてみれば、「誰かに似ている」という分類の仕方は、あまりに安易で失礼ではなかったか。しかし、そういった事でしか説明の付かない、出処の分からぬ懐かしい気配を秘めた女性だったのである。

さて、その若菜亜衣さん。
撮影スタジオにマスク姿で現れた彼女の第一声、「おはようございます」が低くハスキーであったのが印象的であった。

当たり前のことだが、写真には音声情報は含まれない。
ビデオ時代以前は、緊縛グラビアを眺めながら、無意識にモデルさんの声を頭で聴いていたように思う。もちろん、全くの想像である。
いつだったが、やはり昭和56年前後に活躍した緊縛モデルを、後年AV作品で見つけた。その時、「わぁ、こんなハスキーな声だったのか!」と驚いたことを思い出す。
それまで、妄想内での声は、どちらかと言うと艶っぽく、澄んだ音であったが、以降、「このモデルさんは、ひょっとしたらハスキー声であったかもしれないな」と思うようになっていた。だから、若菜さんの声にも戸惑う事は無い。ハスキーもまた、様々妄想をかき立てはしまいか。

「教室で花電車を、やらせようと思う」
朝の打ち合わせで、杉浦先生が、奈加あきらさんと話しているのを聞いた。
“花電車”とは、ストリップ劇場などで、女性器を使って、客の前で芸をするというもの。
昔のSMグラビアでも、ずばり「花電車」というタイトルで、モデルが陰部に筆を突っ込まれて、尻をフリフリ、「習字」をさせられている作品があった。

恥ずかしながら、わたしが「花電車」が何たるかを知ったのはつい最近である。最近、といっても2、3年前なのだが。
花電車には、「生花」「鈴鳴らし」「産卵」などがあるらしい。そういえば、昭和のSMグラビア黄金期にもよく見かけたな。産卵とか、エロ過ぎる。いつかリクエストしたいネタだ。

それでもって、若菜亜衣さんも、その花電車の「習字」を教室で披露させられる事となる。
教室で花電車…なんと、シュールな取り合わせだろうか。
設定が、少女の妄想と言うことなので、なんでもありと言えばありなのだが、“それにしても”である。

杉浦先生がどういった発想で、「教室で花電車」となったのかは不明だが、おそらくこういうことではなかったか、と勝手に補完してみた。

彼女を、書道部としてはどうだろう。たとえばそれが、著名な書道家の娘であったり、彼女自身が、全国大会とかで優勝しているほどの腕前であってもよい。
色恋など眼中に無い。一心に書を極めようと頑張っている彼女を辱めるのであれば、納得の場面である。
いやいや、これは彼女自身の妄想であった。妄想の入れ子状態になってるな。まさにドグラマグラ。思春期の少女の抑えられた色情が、歪な形で脳内に映像化された、というところか。そうなれば、もう理屈ではない。

そうそう。
おそらく、作品冒頭に出てくるであろう、彼女の自室での夢想シーン。机の上に分厚い単行本が置かれているかもしれない。
「夢野久作集」…ドグラマグラが収録された本書を持ち込んだのは不肖私めでございます。電車の中で読もうと、“たまたま”手元にあった代物。
本作の設定は、若菜亜衣さんの妄想の中での出来事。夢野久作作品は、世に言う不思議少女達の必須アイテムだった時代がある。
今思えば、同じ夢野久作であれば「少女地獄」のほうが良かったかな。

若菜亜衣「杉浦則夫緊縛桟敷」にて掲載開始。