放課後のむこうがわ 13

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放課後のむこうがわ 13

「アシスタントさん。
 あなたの格好も、かなりイケてるわよ。
 下半身丸出しで、カメラ構えてるとこ。
 タンポンのヒモ、ぶら下げてさ。
 あなたの後ろにも、カメラマンが欲しいわね」

 背中に視線を感じた。
 もちろん、誰もいるわけないんだけど。
 レーザーみたいな視線が、裸のお尻を灼き上げるのを感じた。
 わたしは、思わず尻たぶを絞った。

「ちょっと。
 なに、お尻ひくひくさせてるの。
 ヤラしい子ね。
 ほんとに、筋金入りの変態だわ。
 しっかりカメラ構えてちょうだいよ。
 お尻ひくひくさせたら、ブレちゃうんだから」

 わたしは懸命にカメラを支え、シャッターを切った。

「さぁ、あけみ。
 上るのよ。
 これがあなたの、お姫さま階段」

 ともみちゃんは起ちあがると、手に持ったロープを吊りあげた。

「あぁぁぁ」

 悲鳴を噴き零しながら、あけみちゃんのお尻が持ち上がった。
 太腿までがくがくと震わせながら、両膝が伸び……。
 踵が浮き上がった。

「ほら、ちゃんと歩んで」

 ともみさんは、後ろ向きのまま、階段を登り始めた。
 あけみちゃんのお尻の割れ目には、ロープが深々と喰いこんだ。
 お尻の肉に隠れて、ロープが見えないほどだった。
 おそらく前の方は、もっと喰いこんでたはず。
 おまんこがひしゃげるくらいにね。

「はい!
 あんよはじょうず」

 尻たぶを震わせながら、あけみちゃんが階段を登り始めた。
 太腿が摺り合うほどの内股で、懸命に上体を支えてる。
 上は、紺の制服を着たまま。
 膝から下は、紺のストッキング。
 上下の紺に挟まれた下半身だけが、剥き出しの肌色。
 そこだけ、別の生き物のように見えた。

「あけみ。
 こっち見ちゃダメだって。
 カメラは下にあるのよ。
 顔をカメラに見せて」

 顔を横に倒したはずみに、あけみちゃんがバランスを崩した。
 膝が落ちた。
 長い髪の先が、階段を掃く。

「気をつけてよ。
 両手縛ってあるんだから、落ちたらタダじゃ済まないからね」

 あけみちゃんは、膝を震わせながら起ちあがった。
 顔を横に倒し、斜め後ろを見ながら、懸命に階段を上ってく。

「ほら、カメラ!」

 ともみさんの叱責に、慌ててカメラを構え直した。
 シャッターを切りながら、わたしも階段を上っていく。
 あけみちゃんの内腿が、窓からの光を返してた。
 濡れてるのよ。
 ナメクジが這ったような筋が、膝下のストッキングまでネラネラと続いてた。

「ほら、もう一息」

 ともみさんは、踊り場まで上がってた。
 大きな窓のある踊り場だった。
 細い窓桟で区切られたガラスが、天井近くまで聳えてる。
 踊り場の縁に立つともみさんは、窓からの光を背中に浴びてた。
 逆光のシルエットは、まるで黒い陽炎みたいに見えた。
 輪郭線が、ハレーションを起こしたみたいに揺れてるの。

「どうしたの?」

 あけみちゃんの足が、止まってた。
 背中が大きく波打ってる。

「もう少しじゃない。
 顔、こっち向けていいから」

 あけみちゃんが、ともみさんを振り仰いだ。

「おいで」

 ロープを握ったともみさんの手が、スカートの裾を掴んだ。
 上体を煽らせると同時に、両手を大きく開いた。
 スカートが、扇のように広がった。
 そこには、無毛の股間が開いてるはず……。
 でも、真っ暗なシルエットの中は、何も見えない。
 まるで、黒い鳥が羽を拡げたみたいだった。
 シルエットの暗がりには、無数の星が瞬いてるようにさえ見えた。

 あけみちゃんは、その暗がりを目指して上ってく。
 片膝が階段に落ちた。
 ふくら脛が震えてる。
 踏ん張った靴裏が、段の縁を滑った。

「あっ」

 あけみちゃんは、大きくバランスを崩した。
 ともみさんは、とっさにロープを引っ張った。
 もちろん、あけみちゃんが転がり落ちないようにだろうけど……。
 でもそれは、股間のロープを激しく引き絞ることになった。
 下から見上げるお尻に、ロープは見えなかった。
 割れ目に深く食いこんで、お尻の膨らみに埋もれちゃったんだね。
 もちろん、前は、もっと強く絞られてたはず。
 陰唇を2つに割り裂いたロープは……。
 おそらく、陰核を潰してた。

「か。
 あかかか」

 あけみちゃんは階段に突っ伏して、激しくお尻を痙攣させた。
 躍動する尻たぶに、陽の光が踊ってた。

「失敗失敗。
 もっと焦らしてやろうと思ってたのに……。
 うっかり、イカせちゃったよ。
 でも……。
 ほんとヤラしい顔してる。
 アシスタントさん。
 ちょっと来てごらん」

 ともみさんに促され、わたしは階段を駆けあがった。
 あけみちゃんの横顔を覗きこむ。
 頬を階段に摺りつけながら、まだ顔はびくびくと動いてた。
 でも……。
 見開いた目蓋の中に、瞳は無かった。
 真っ白い眼球が、虚空を見つめてる。
 アヒルみたいに開いた口からは、泡が噴き零れてた。

「気持よさそうでしょ?
 ほんとに気持よさそうにイクのよ、この子。
 憎らしいくらい」

 あけみちゃんの全身から、ようやく痙攣が収まった。
 口元を噴き零れた泡が、階段の縁から垂れてた。

「こら、あけみ。
 起きなさい」

 ともみさんがロープを引いても、あけみちゃんに反応は無かった。
 背中に回った両手が、ロープに引かれて動くだけ。

「完全に向こうの世界ね。
 引き戻してやる」

 ともみさんはロープを投げ出すと、再びスカートの裾を持ち上げた。
 裾をまとめて、胸前にたくし上げる。
 無毛の下腹部を隠すものは、何も無かった。
 血管が透けそうなほど、真っ白なお腹だった。
 なだらかな腹部の裾野は、恥丘でわずかに隆起してた。
 性器は下を向いてて、ほとんど見えない。
 キスを求める唇みたいに開いた襞が、微かに覗いてた。

「素直に起きない子には……。
 お仕置きしなくちゃね」

 ともみさんはスカートをたくし上げたまま、階段に腰を下ろした。
 腰を進めながら、あけみちゃんの髪を握り、頭を持ち上げる。
 そのまま、あけみちゃんの顔が横たわってた段に、お尻を割りこませた。

第十四話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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アンダーカバー・SUMIRE 5

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■第5章 赤い粉

それからいったいどれくらい気を失っていたのだろう。
手足に締め上げられる激痛を感じ、私は一気に正気を取り戻した。
両膝が胸に届くほど折りたたまれた格好で手足をロープできつく縛られ、尻と股間を無防備にも曝け出した格好で天井から吊り上げられている。
あう、うぅぅぅ・・・
目の前には今しがた私の股間を残忍に責め抜いた黒いキャミソール姿のあの女が立っている。
「あなた、さっきは悶え苦しみながらも随分と感じてたようじゃない。見てごらん、おかげで私のハイヒール、あなたの愛液でグチョグチョに汚れてしまったわ。そのお仕置きよ。」
女は傍らのテーブルの上に置かれたボウルに右手を入れると何かを一掬い掴み上げ、私の顔の前で開いて見せた。
その手の平の上は真っ赤な粉で覆われていた。
「し、七味?!」
「そう、七味唐辛子よ。これをあなたのアソコにたっぷり塗り込んであげるわ。きっと極楽級の快感で、またまた昇天しちゃうわね。ふふふふふ・・・」
「や、やめて、お願い。そんなことしないで!!」
私は恐怖に顔を引き攣らせて女に哀願した。
ハイヒールの突起でズタズタに傷つけられた股間にそんなものを塗り込まれたらどういうことになるかは、容易に想像できた。
「いいわよ、やめてあげても。でも、それなら素直にこちらの質問に答えてくれるのかしら?」
「うっ、・・・・・・・・・・・」
一瞬答えに詰まった私の股間に、容赦なく女の指先が潜り込んだ。
ヒィィィィィイィィィィィイィィィィーーーーーーッ!!!!

まるで陰茎ごと爆破されたような強烈な熱風が私の体内を一気に駆け上がる。
私は熱湯に投げ込まれた海老のように全身を硬直させ仰け反って悲鳴をあげた。
そんな吊られた状態で暴れまわる私の髪を女は握って押さえ付けながら、もう一方の手は傷ついた内壁にザラザラした七味を満遍なく塗りたくり続ける。

ある程度塗りつけると、再びボウルに手を入れて掬い上げ、そしてまた私の体内に忌まわしき赤い粉を擦り付ける。
そんな作業が何度繰り返されたのだろうか。
私はあまりの激痛に目を見開き、呼吸困難に口をパクパクさせるだけで、もはや悲鳴すら出せない状態になっていた。
「エージェントの訓練も大したことないわね。いいわ、時間はたっぷりあるし、今日はこの辺で許してあげるわ。一晩よく考えることね。明日はこんなもんじゃ済まないわよ。」
女はそう言うとロープをゆっくりと下ろした。

文章 蝉丸
写真 杉浦則夫
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放課後のむこうがわ 12

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放課後のむこうがわ 12

 目を覚ましたときは、同じ格好だった。
 床に大の字。
 置いてかれたかと思って、慌てて上体だけ起こした。
 2人の姿は、まだ階段にあった。
 でも2人は、さっきの格好じゃなかった。

「アシスタントさん、お目覚めのようね。
 お尻にタンポン突っこんでイッちゃうなんて……。
 筋金入りの変態ちゃんよね。
 負けそうだわ」

 ともみさんは、階段の中段あたりに座ってた。
 足を一段下に置いて、下の方を向く姿勢だね。
 ともみさんの頭は、階段の手摺からわずかに見えるくらいだったけど……。
 手摺は、並んだ柱が支えるタイプだったから、向こう側が見えるの。
 あんな手摺だと、下からスカートの中が覗かれそうだけど……。
 女子高だから、関係ないのかな?

 あけみちゃん?
 もちろん、あけみちゃんもいたよ。
 ともみさんの脚元。
 ともみさんが座ってる段から、3段下に足を置いてた。
 しゃがんだ姿勢でね。
 身体は階段上、つまり、ともみさんの方を向いてた。
 あけみちゃんは、さっきと同じ姿。
 制服の上着に回った縄も、そのまま。
 下半身は、すっぽんぽん。
 背中で縛られた両手が、苦しそうに動いてた。

 ともみさんは、またスカートを穿いてた。
 タータンチェックの裾が、両膝を隠してる。
 でも、靴先は、踏み段に開いて置いてた。
 見上げるあけみちゃんには、ともみさんの股間が見えてたはず。
 ショーツを穿いてない、無毛の股間が。

 で、ともみさんはロープを握ってたの。
 ロープの先は、あけみちゃんの股間に吸いこまれてるように見えた。

「アシスタントさん。
 いい加減、起きてくれる?
 あ、タンポンはそのままよ。
 ヒモぶら下げたまま、こっち来てちょうだい」

 わたしは言われたとおり、タンポンを下げたまま、階段下に身を移した。
 2人を繋ぐロープが、どういうふうになってるか、ようやくわかった。
 あけみちゃんを後ろ手に縛ったロープが、さらに真下に伸び……。
 お尻の割れ目に渡ってるの。
 Tバックみたいね。
 前に回ったロープが階段上まで伸びて……。
 その先は、ともみさんの手の中。

 案の定、下から見上げると、ともみさんの股間は丸見えだった。
 スカートの裾が、暗がりをつくってたけど……。
 ふっくらした大陰唇の赤みまで、よく見えた。
 あけみちゃんの顔は、そこを向いたまま動かない。
 凝視してるのよ。

「ふふ。
 あけみの視線、すっごく熱い。
 わたしの中からも、熱いのが染みだしてくるよ。
 封蝋が溶けるみたいに、ぱっくり開いちゃうかも。
 中まで見たい?」

 あけみちゃんの髪が揺れた。
 懸命にうなずいてる。

「じゃ、もうちょっと上まで、あがってらっしゃい。
 わたしが、手伝ってあげるから」

 そう言ってともみさんは、手に持ったロープを顔の上まで引き上げた。

「あぁっ」

 悲鳴のような声をあげて、あけみちゃんは首をうねらせた。
 踏み段に置いた足が、がくがくと震えた。

「どうしたの?
 ほら、引っ張ってあげるから……。
 登ってらっしゃい」

 ともみさんは、ロープを小刻みに引いた。
 あけみちゃんのお尻の割れ目に、ロープが喰いこむ。
 もちろん、お尻以上に、おまんこの割れ目に喰いこんでるはず。
 ロープに繋がる後ろ手が、びくびくと引き下ろされる。
 両手の平が、虚空を掴むように藻掻いてる。

「はぅぅっ。
 そ、そんなにしたら……。
 イッちゃう、イッちゃうぅ」
「あぶないあぶない」

 ともみさんは、大きくロープを緩めた。
 お尻の割れ目を離れたロープが、階段まで垂れた。
 ロープからは水飴のような糸が伸びて、あけみちゃんの股間まで繋いでる。
 階段に蟠るロープは、色を変えてた。

「そんな格好でイッたら、転げ落ちちゃうもんね」

 ロープの戒めを解かれた肛門が、瀕死の生き物みたいに、ひくひくと動いてた。

「アシスタントさん。
 ぼーっとしてないで、そこのカメラ持って。
 下から撮ってちょうだい。
 あけみの、ヤラしいお尻」

 わたしは、鞄に置かれたポラロイドカメラを取り上げた。

「ほら、あけみ。
 お願いして。
 撮ってくださいって」
「と、撮ってください……」
「顔見せなきゃだめでしょ。
 後ろ向いて」

 あけみちゃんは、懸命に顔を横向けた。
 クロールの泳者が、息継ぎするみたいだった。

「おっと。
 このままじゃ発禁だわ」

 ともみさんが、再びロープを引き絞った。
 ロープが割れ目に張りつき、肛門が隠れた。
 尻たぶに、引き吊るような痙攣が走った。

「ほら、撮って」

 わたしは慌ててカメラを構え、シャッターを切った。

第十三話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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アンダーカバー・SUMIRE 4

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■第4章 美しき標的

突然鼻に引き裂かれるような痛みを感じて、私は無理やり覚醒させられた。
ああぁぁぁあぁぁ・・・・
気づくと鼻腔に2つの金属フックが掛けられ、それが頭上からグイグイ引き上げられていたのだ。
私は思わずフックの上昇に合わせて上体を起した。
「ふふふ、見てご覧なさい。あなたの顔、まるで豚みたいじゃない?」
女の言葉にハッと正面を向いた私は、そこに大きな鏡が備え付けられいるのを知った。
その鏡には鼻の穴を思いっきり開かされ、苦しさに口を大きく開けた口からだらしなく舌を垂らす自分の情けない姿が映し出されているではないか!
それ以上に驚いたのは、気を失っている間に衣服を剥ぎ取られ、上半身こそかろうじて下着をつけているものの、下半身は無防備なまでに完全に曝け出されている。
そんな恥ずかしい姿に焦った私は、慌てて目を閉じた。

「美しいものが醜く壊されていく。これほどゾクゾクすることはないわ。」
鏡に映った女の顔はサディスティックな笑みを浮かべている。
私の中で、苦痛と恥ずかしさを越えて屈辱感と悔しさがどんどん膨らんでいく。
そんな私を嘲笑うかのように、女の手はフックを巧みに操り、それに連れて私は嫌でも顔を上下左右に向けるしかなかった。
さらにパレットの上に仰向けに倒された私の髪を女はグイと掴みあげた。
こ、今度はなに?!
まるで蛙のように惨めに開いた私の両脚の間に女は立つと、ニタッと笑ってこともあろうかハイヒールの尖った先端を私の股間にグイと押し込んできた。
「あぁ、ヒィッ!! や、やめて!!」

私は痛みに上体を起そうとしたが、頭上から髪を掴む手はそうはさせまいとますます力を入れて押さえ込みにかかる。
ギャァアアァアアァァーー!!!
ハイヒールの先は膣に達するほど私の体内に潜り込み、グリグリと掻き回すように責めたてる。
一見滑らかなエナメルの材質と思えたハイヒールは、実は周囲に小さな突起が無数に取り付けられたまさに拷問仕様で、その突起が私の内なる肉の壁を強烈に摩擦するのだ。
「いいのよ、大声を出して。気持ちいいんでしょ?ほらほらほら。」
いや、いや、いやぁーーー!!
さらにハイヒールの尖った先端は的確に私の陰核を捉え、踏み潰さんばかりの勢いだ。
言語に絶する激痛と味わったこともない奇妙な快感が私の脳天まで突き抜ける。
だ、だめ!も、もう壊れるーーー!!!!
「どう?そろそろ白状する気になったかしら?」
私の耐え難い表情を見計らって尋問を切り出しながらも、女の足先の攻撃は緩むどころか一層激しさを増してくる。
あああ、ぐぐぐ・・・・、「い、言わない!言うもんか!!」
そう叫ぶのが私には精一杯だった。
その答えに失望の色を露にした女は順番に足を変えながら、ついに私が悶絶するまでその後20分近くも股間を責め続けたのだった。

文章 蝉丸
写真 杉浦則夫
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放課後のむこうがわ 11

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放課後のむこうがわ 11

 あけみちゃんの視線は、お尻の裏側を貫いてた。
 わたしからは見えなかったけど……。
 あけみちゃんは、ともみさんの性器を凝視してたんだろうね。

「ちんちんなんか無くたって……。
 犯せるんだからね。
 両脚上げて」

 あけみちゃんの太腿にはロープが掛かってた。
 ロープの端は階段柱に結ばれ、ピンと張ってる。
 でもそれは、階段下の床に足を着けて……。
 太腿を内側に絞ってたから。
 あけみちゃんの足裏が、床を離陸すると……。
 ロープは緩んだ。

「ふふ。
 凄い格好。
 相変わらず、柔らかいわね。
 でも、もーっと開いて」

 ともみさんは、あけみちゃんの太腿に掛かったロープを、膝までずらした。
 ロープはさらに緩んだ。
 ともみさんは、あけみちゃんの膝裏に両手をあて、ぐっと押しつけた。
 両脚が最大限に開き、靴の裏が天井を指した。

「ひぃぃぃぃぃ」

 あけみちゃんの口から、笛の音のような声が漏れ出した。
 ともみさんを真っ直ぐに見上げてる。
 大きな瞳が、ドクドクと鼓動してた。

「どうしてほしいの?」

 ともみさんは、狩り捕った獲物を嬲るように、あけみちゃんの視線を絡め取った。
 あけみちゃんを視線で舐めあげながら、ゆっくりと階段を上がる。
 あけみちゃんのお尻が載ってる2段目に、ともみさんの足裏が乗った。
 あけみちゃんは2つに折りたたまれ、靴の踵が頭上を蹴りあげてた。

 ともみさんは、ゆっくりと腰をおろし、和式便器を使う姿勢をとった。
 上からのしかかるお尻と、下から迎えるお尻。
 白い臀部が、相似形に向かい合ってた。

「どうしてほしいか、自分で言いなさい」

 あけみちゃんの肛門が、ヒクヒクと動いた。
 しゃくりあげてるようだった。

「パンパン、して」
「よく言えました。
 じゃあ……。
 アシスタントさんに見てもらおうね。
 わたしたちが、パンパンするとこ」

 ともみちゃんが振り向き、わたしに視線を投げ下ろした。
 あけみちゃんも顔を倒し、わたしを見た。
 わたしは両脚を抱え直し、肛門を突きあげて視線を迎えた。

「アシスタントさんも、もう堪らないみたいね。
 でも、これ見たら……。
 もっと堪らなくなるわよ」

 ともみさんが、視線を真下に戻した。
 あけみちゃんの視線が、それに重なる。

「パンパンして……。
 して……。
 してぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 あけみちゃんが叫び終わらないうちに、ともみさんのお尻が振り上がり……。
 振り下ろされた。

 パン!

 湿った肉音が立った。
 ともみさんの股間が、あけみちゃんの股間を打ったのだ。
 あるいは、2人のお尻が打ち合う音だったかも知れない。
 でもわたしには、2つの性器が叩き合った音に聞こえた。

 ともみさんが、再び尻を振り上げた。
 肛門が宙に曝され、尻のあわいからは性器が覗いてた。
 振り下ろされる。

 パン!

 さらに高らかな肉音が響いた。
 あけみちゃんの瞳がさらに膨らみ、頬肉が震えた。
 あけみちゃんの表情で、2人が何をしているのか、ようやくわかった。
 2人は、クリ……。
 ていうか、ともみさん流に言えば、陰核ね。
 その陰核を、打ちつけあってるんだって。
 2人の恥骨に挟まれて、陰核は互いに潰し合ってたんだ。
 こんな形の行為があるなんて、思いもしなかった。
 でも、間違いなく性行為だよね。

「はぅっ」

 ともみさんが、強い息を吐いた。
 打ち下ろす尻に、スピードが加わった。
 お尻の上がる角度は少し下がったけど、その分インターバルは短くなった。

「いぃ!
 ともみちゃん、いぃ!」
「いいの?
 そんなにいいの?」
「いぃっ。
 いぃっ」
「そんなら、もっとよくしてあげるね」

 ともみさんのお尻が止まった。
 足の位置を微妙に踏み直すと、再び尻が上がった。
 2人の股間を、水飴みたいな液体が繋いでた。
 窓からの光を返して、キラリと光ったように見えた。
 でも、それも一瞬。

「はっ」

 ともみさんの気合と共に、再び尻が振り下ろされた。

 パーン。

「あけみ、行くよぉ」
「来て、来て!
 来てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「はぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 咆哮と共に、ともみさんのスロットルが開け放たれた。

 パンパンパンパンパンパンパンパンパン。

 ともみさんのお尻から、輪郭線が消えてた。
 白いお尻が、残像の軌跡の中で霞んでる。
 あけみちゃんが持ち上げた脚の先では、通学靴が小刻みなステップを踏んでた。
 ともみさんの汗が、あけみちゃんの顔に散りかかる。
 あけみちゃんは頭をうねらせながら、ともみさんの汗を浴びてた。

「あ、け、み、ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」

 まるで2人は、止まることを忘れた自動人形のようだった。
 このまま壊れるまで動き続けるだろう。
 でも、それを見届けることは出来そうもなかった。
 わたしの方が、限界だったから。
 ともみさんの命令に背き、指が動いた。
 陰毛の上に乗るタンポンを摘まみあげた。
 切っ先を下向け、狙いを定める。
 一気に突っこんだ。

「わひゃっ」

 全身で跳ね上がった。
 両脚が、カエルのおもちゃみたいに伸びてた。

 わたしが突っこんだのは、お尻の穴。
 ともみさんに入れてほしかったのも、そこなんだ。
 お尻にタンポン詰めて、締めつけながらクリ弄ると、すぐにイッちゃうよ。
 やったことない?
 でも、そのときは、クリを触る余裕もなかった。
 お尻に入れただけで、イッちゃったからね。
 壊れた人形は、わたしの方だった。
 手足が床に投げ出される音を聞きながら……。
 わたしの意識は遠のいってった。

第十二話へ続く

文章 Mikiko
写真 杉浦則夫
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